ナノスケールでの破壊挙動の新規評価方法として、走査型プローブ顕微鏡によるセラミックスのき裂進展素過程のその場観察を行っています。Si3N4セラミックスでは、き裂は粒界あるいは粒内を不連続に進展していくこと、および、き裂は結晶粒とガラス相の界面を進展していくことがわかりました。また、代表的な磁歪材料であるTerfenol-Dでは、き裂進展に伴う磁区構造の変化が観察されました。
セラミックス軸受は金属製軸受に代わって風力発電システム等に用いられる重要な部材です。本研究は、ナノ粒子の均一分散を含む粉体プロセス科学に立脚して、軸受用Si3N4セラミックスの高性能化を行うものです。さらには、セラミックス軸受の普及拡大のためは、優れた性能を落とすことなく低コスト化を達成することが必須です。これについても科学的なアプローチでチャレンジしました。
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ゼオライトはナノサイズ化させると様々な特性が向上することが知られています。水熱法はナノサイズ化の最も一般的な手段であるが、希薄溶液中で結晶化させるため生産性が低い、また結晶化制御のために使用する有機構造規定剤が高価、といった問題があります。本研究では、ゼオライトをビーズミルにより粉砕し、粉砕によって生じた非晶質層を再結晶化させることで結晶性の高いナノゼオライトの作製に成功しました。
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材料の特性は微構造に大きく起因します。我々は、機械的処理によるナノ複合粒子を創製するとともに、これを利用した高機能セラミックスの材料設計を行っています。応用範囲は、構造材料、電子材料、高熱伝導材料、導電材料など多岐にわたっています。
雰囲気加圧焼成炉などに付設したディラトメーターにより焼結収縮挙動のその場測定を行うと共に、得られた焼結収縮曲線からマスターシンタリングカーブを作成して焼結収縮挙動の解析を行います。また、これまで勘と経験に依存するところが大きかった焼成時の昇温プロファイルの制御と最適化を、マスターシンタリングカーブに基づいてより解析的に実行することができます。
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